シマノ鈴鹿ロード

レース(個人種目)

《JCF公認》シマノ鈴鹿ロードレース クラシック 男子

ベテラン2選手の引退セレモニー後にスタート。混戦のスプリントを制したのは…

国内のロードレースの最高峰であるJBCF、JCL所属の選手たちがリーグの垣根を越えて真剣勝負を繰り広げるシマノ鈴鹿ロードレース クラシック男子。今年もホストチームのシマノレーシングを筆頭に、宇都宮ブリッツェン、キナンレーシングチーム、マトリックスパワータグ、TEAM UKYO、ヴィクトワール広島、愛三工業レーシングチームといったそうそうたるチームからプロ選手が参加。これらのトッププロチームの選手は、スターティングセレモニーでホームストレートを隊列を組みながらパレード走行してスタートラインへ。トップレベルのアマチュア選手も含め、約130人の選手がスタートラインに立ちました。

レースに先立って行われたのは、サプライズの引退セレモニー。キナンレーシングチームの中島康晴選手には元チームメイトの井上和郎選手、マトリックスパワータグの吉田隼人選手には娘さんと安原監督から花束が贈られ、プロ選手として最後のレースだった吉田選手が言葉に詰まる場面が印象的でした。そんな感動に包まれた空気をレース開始の号砲が一気にレースモードへと変え、フルコース10周のバトルが始まりました。

レースは序盤から集団からの飛び出しを試みる選手たちがアタックするものの、ほどなくメイン集団に吸収されるという展開。なかなか決定的な逃げが決まらない中、レース中盤に小野寺玲選手(宇都宮ブリッツェン)が飛び出したのをきっかけに、小林海選手(マトリックスパワータグ)と天野壮悠選手(シマノレーシング)が追走、さらに花田聖誠選手(キナンレーシング)、風間翔眞選手(シマノレーシング)も合流し、5人の逃げグループを形成。メイン集団との差を20秒程度にまで広げました。5人は最終周回まで粘りましたが、のトマ・ルバ選手(キナンレーシング)や増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)らの猛烈な追走でメイン集団に吸収され、最後は各チームのスプリンターによるスプリント合戦に。横並びのスプリントを制したのは小野寺選手(宇都宮ブリッツェン)、2位にレイモンド・クレダー(TEAM UKYO)、3位と4位にはレース前に引退セレモニーを行った吉田選手と中島選手がそれぞれ入りました。






《JCF公認》シマノ鈴鹿ロードレース クラシック 女子

チーム戦を展開するバルバ勢に単騎エントリー勢が挑みかかる

シマノ鈴鹿ロードレース クラシック女子は、本大会の女性サイクリストのための最高峰のレース。フルコース5周と距離も女性の種目では最長で、スプリント力だけでなく、長距離をハイスピードで走りきるスタミナも要求されます。

今回スタートラインに立ったのは14人で、うち9人がバルバ勢。単騎エントリーの選手たちがチーム戦を展開するバルバ勢にどう挑むかが見どころとなりました。レースは序盤から一列棒状のハイペース。周回を重ねるごとに人数が絞られていくサバイバルレースとなりました。4周目にはバルバクラブタカオカの山崎友里選手が単独で飛び出し、集団を大きくリード。メイン集団では単騎エントリーの選手が先頭交代して追走し、最終周回のS字コーナー手前で山崎選手を吸収。勝負は集団スプリントに持ち込まれました。最終的にバルバ勢がトップ3を独占し、頭脳的なチーム戦が実を結んだ形となりました。








エリート

1組目は積極的に逃げた選手が逃げ切り優勝とスプリント賞を獲得

フルコース7周回とシマノ鈴鹿ロードレース クラシックに次ぐ長距離で争われるエリート。JCF未登録選手が出場できる最高峰のレースで、JCF登録者とともに走ります。今年は1組、2組合わせて80人が出走しました。

レースはスプリント賞のポイント争いがかかる残り5周、3周、1周でスプリント賞を狙う選手を中心に集団前方が活性化。このうち1組目は、残り5周のポイントがかかる周回から吉村光也選手が積極的な飛び出しを見せ、中盤以降は単独で大きく集団から逃げてポイントを着実に稼いでいきました。最終周回のホームストレートでは大集団が吉村選手に迫りましたが、吉村選手はフィニッシュラインまで逃げ切り着順でも1位を獲得。圧巻の走りを見せました。

一方、2組目もスプリント賞のポイント獲得を狙った2人が協調して集団から逃げ続け、最後はマッチスプリントを制した河津巧選手が優勝。ポイント賞はともに逃げた濱地勇樹選手が獲得しました。







5周の部

両組とも横並びの集団スプリントで勝敗が決まる

フルコース5周、距離29kmで行われる5周の部は、JCF未登録選手が出場できる種目としてはエリートに次いで長距離で争われる種目で、男女とも出場でき、中学生を除いてJCF未登録選手のみが参加できる中級者向けのクラスです。

1日目のレースは5ステージ・スズカ第1ステージの直後に行われ、およそ120人の選手が2組に分かれてレースを行いました。レースは残り3周と残り1周のポイント対象周回をきっかけにレースが活性化。3周の部や2周の部と違ってポイント対象周回が2周あるため、スプリント賞を狙う選手と最終の着順を狙う選手がある程度分かれやすく、両組ともポイント計測ラインを通過後は比較的集団がまとまる傾向にありました。

最後は両組とも横並びの集団スプリントとなり、1組目は池上徹選手、2組目は吉村俊哉選手がそれぞれ優勝しました。







3周の部

男子2組目は優勝者がスプリント賞も獲得する完全勝利

フルコース3周回、距離17.4kmで争われる3周の部。2日目は男子の部におよそ180人、女子の部に10人あまりが出場。男子は3組に分かれてレースが行われました。
男子では各組ともスプリント賞のポイントがかかる残り1周でポイント賞ねらいの選手たちがレースを動かしました。スプリント賞を狙う場合は3カ所のポイントラインを上位で通過する必要があり、着順で上位に入る場合は不利になることも少なくありませんが、男子の2組目では、スプーンカーブとダンロップカーブを先頭で通過した佐久間一稀選手が最終のゴールスプリントを制して1着フィニッシュ。スプリント賞と優勝のダブルタイトルを手にしました。
一方、女子はスプリント賞のポイントを巡って最終周回を前に小橋由佳選手と野添晴菜選手のバルバ勢2人が飛び出し、そのままワンツーフィニッシュを決めました。







2周の部

フルコース2周だけに展開が速く、レースの魅力が凝縮

シマノ鈴鹿ロードの種目の中で、小学生以外のクラスで順位が付くロードレースの中では最も周回数が少ない2周の部。フルコース2周、11.6kmという短距離レースのためペースが速く、最終周回はスプリント賞もかかるので、シマノ鈴鹿ロードのロード系種目の魅力がぎゅっと詰まった魅力的な種目と言えます。それを裏付けるように、男子のクラスは土曜日は5組、日曜日も4組、さらに女子クラスが両日とも1組と、シマノ鈴鹿ロードのソロ種目では参加人数も1時間サイクルマラソンに次いで多いのも特徴です。

このうち、日曜日の女子クラスにはおよそ20人が参加。前日のレースでスプリント賞のポイントラインをすべて1位通過し、最終の着順でも1位となって完全優勝を果たした中学生の西原夕華選手が、この日も積極的なレースを展開。スタートアタックで早くも独走に持ち込み、スプリント賞のポイントラインもすべてトップで通過。最後は2位集団を引き離して満面の笑みでガッツポーズしながら1位でフィニッシュ。2日続けてのレースでの勝利とスプリント賞獲得という完全勝利を果たしました。







体験レース

初心者のレースデビューはここから。レース初心者講習会受講後の実践の場

誰しも初めてレースに出るときは、不慣れな大集団で走ることに不安を感じるもの。そこでシマノ鈴鹿ロードでは、始めてレースに出場する方を対象に、レース初心者講習会と体験レースという座学と実技のセットで不安の解消に努めています。

体験レースの出場者は、まずレース初心者講習会の受講が義務付けられています。今年はかつてシマノレーシングに所属し、ツール・ド・フランスにも出場経験のある今中大介さんを講師に安全走行や集団走行のコツなどについて学びました。講座受講後、1日2回、午前と午後に設けられている体験レースに出場し、講座で学んだことを実践します。

土曜日の午前の部では、80人ほどの選手が2組に分かれて出走。序盤から積極的にスピードを上げて独走状態に持ち込んで気持ちよさそうに走る選手もいれば、近くの脚が合う選手と集団走行を実践してみる選手、マイペースで完走を目指す選手と、各自が思い思いのペースでサーキット走行を楽しんでいました。







1時間サイクルマラソン

今年は女子クラスが登場
ソロ種目ながら仲間とペースを合わせて走りやすい人気種目

1時間サイクルマラソンは、その名が示すとおり、単独で1時間、鈴鹿サーキットの西コースを周回して何周走れたかを競うエンデュランス種目。1時間というほどよい競技時間や、ソロ種目ながら自分のペースを守って走れることもあり、2時間エンデュランスに次ぐ参加人数の多さを誇る人気種目です。土曜日のレースには、男子と女子の両クラス合わせて500人弱が参加しました。

スタート前には参加者がスタートラインを先頭にホームストレートの第1コーナーに向かってずらりと並び、この種目の人気の高さを改めて感じさせました。スタートを告げる号砲とともにローリングスタートが切られると、色とりどりのサイクルウェアを着たサイクリストの集団がまるで大きな生命体のようにホームストレートを登っていきました。中にはカジュアルウェアにスニーカー、フラットペダルという方も見られました。

レースでは西コースを使うため、ホームストレートに戻ってくるのはスタートとフィニッシュの時だけ。1時間後に再びホームストレートに帰ってきてフィニッシュラインを通過した選手の多くは単独で走っていましたが、中にはまるでサイクリングのように仲間と隊列を組んで走る人も。サイクリング気分でサーキットを走れるのも1時間サイクルマラソンの魅力と言えそうです。







個人タイムトライアル

独走でタイムを競う純粋な脚力勝負
タイムトライアル用の本格的な機材にも注目

個人タイムトライアルは、ロードレースのように他の選手と一緒に走って着順を競うのではなく、同じコースを単独で走ってタイムを競う種目。ツール・ド・フランスをはじめとする3大ツールでも行われるので、おなじみの方も多いでしょう。シマノ鈴鹿の個人タイムトライアルは、予選・決勝方式で、まず予選を東コース1周2.2kmで行い、上位20人がフルコース1周5.8kmで行われる決勝に挑みます。

決勝レースは2時間エンデュランス終了後、午後6時半ごろから始まりました。予選20位の選手からスタートし、最終走者が予選1位の選手という順に出走。出場者は全員がTTバイクを使用、ほぼ全員が後輪にディスクホイールを装着し、TT用のエアロヘルメットを身につけていました。

決勝レース前に雨が降り始め、コースは徐々にウェットコンディションへと変化。レース後半にはすっかり日も落ち周囲が暗くなっていきましたが、やはり決勝に出走する選手の速さは光りました。トップタイムが7分40秒台という中、予選8位のサンドゥ・ヨノツ選手が7分25秒台のトップタイムをたたき出しホットシートへ。その後に予選トップの荻野徹選手がヨノツ選手のタイムを14秒ほど上回る7分11秒台でフィニッシュ。平均時速48.39kmという圧倒的なスピードでフルコース1周5.8kmを走りきり、優勝の栄冠を手に入れました。







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